【平成19年1月作成 レポート】


 ■ 道州制特区推進法が成立  

 ■ 日豪FTAで本道は1兆3,716億円の影響  
                        
 ■ 「北海道ものづくり産業振興指針」の素案を公表
                         
 ■ 「新しい総合計画の骨格」がまとまる

                    



  道州制特区推進法が成立  〜 まず8項目の権限を移譲

 道州制特区法案が12月13日に国会で成立しました。
平成15年夏に小泉首相(当時)と高橋知事が道州制推進に合意してから3年余りを経過し、北海道は全国のモデルケースとして先駆的な役割を果たすために動き始めます。

 同法により、平成19年度から、

@開発道路の整備  A2級河川の整備  B直轄砂防事業の整備 
C民有林の直轄治山事業の整備 
D鳥獣保護法の麻酔薬を使った危険猟法の許可 
E調理師養成課程の指定・監督 
F公費負担医療を行う指定医療機関の指定 
G商工会議所の許認可の一部

―の8項目が北海道に移譲され、財源は項目ごとに交付金として支給されます。

 政府は今後も安倍新首相を本部長とする道州制特区推進本部を設置して、道への移譲権限拡大を図る方針で、高橋知事も参与として参加します。

 同法では、道は道議会の議決を得た上で、新たな権限移譲を国に提案できることになっています。観光、交通、食の安全・安心、農業、環境など、北海道の強みを生かせる分野で、省庁を横断する構想を構築することが重要になります。厚い霞ヶ関の壁を打ち破って、地域主権型社会を構築するために、北海道の本気度と構想力が試されることになります。

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  日豪FTAで本道は1兆3,716億円の影響
                          〜道内一丸で主要4品目の死守を


 日本とオーストラリア(豪州)両国は、自由貿易協定(FTA)・経済連携協定(EPA)の締結に向けた交渉を年明けから開始します。

 豪州から輸入されている農林水産品の半数以上は牛肉、小麦、乳製品、砂糖などです。この4品目は北海道の主要畜産物とまともに競合し、関税が撤廃されて、国の支援策が困難になれば、本道経済全体に大きな影響が出ます。

 道農政部では本道に農業生産額4,456億円、関連製造業4,414億円、地域経済4,816億円の合計1兆3,716億円の影響を及ぼすと試算しています。これは道内GDP(総生産)の4.2%に相当し、拓銀の破たん時を上回る経済的な打撃を被ることになります。

 国は重要品目を守り抜く姿勢を示しており、自民党も交渉の中断を含む厳しい姿勢で臨む方針を確認しています。本道経済に打撃が及ばないよう、道、道議会、関係団体などが一丸となって、国へ強力に働きかけていかなくてはなりません。

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  「北海道ものづくり産業振興指針」の素案を公表
                〜目標数値を設定し、自立型の産業構造に転換


 道はこのほど、本道経済を自立型の力強い構造に転換するための「北海道ものづくり産業振興指針」の素案を公表しました。

 日本経済は自動車、デジタル家電などのものづくり産業がけん引役になっていますが、公共事業への依存度が高く、製造業のウェートが低い本道経済は景気低迷が続いています。

 トヨタ自動車部品工場の新増設の動きや関連企業の道内進出など、本道経済を浮揚させるための芽が出始めていますが、まだまだ全国に比べて工業の高度化が立ち遅れています。この現状を打開するには、加工組立型工業の集積・促進や食品工業を育成して地域産業の活性化を図るなど、ものづくり産業の育成、振興がカギになります。

 指針はおおむね10年先を見据えたもので、目標年度は平成29年度に置き、食品工業の付加価値率は35.0%(平成16年実績29.4%)、大学発ベンチャー企業の設立数は150企業(同59企業)など具体的な数値目標を設定しています。

 国や市町村、産業経済界、大学、試験研究機関などと連携を図りながら、企業や地域の取り組みを支援して、本道経済の底上げを図ろうとしています。この指針は18年度中に策定される予定です。

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  「新しい総合計画の骨格」がまとまる
          〜 経済・産業、暮らし、環境・エネルギーなどで政策展開


 道はこのほど、平成20年度からスタートする新しい総合計画の策定に向けて、「新しい総合計画の骨格」を明らかにしました。

 「新しい総合計画」は道の政策の基本的な方向を示すもので、道民と道の共通の指針になります。計画期間は平成20年度からおおむね10年とし、経済社会情勢の変化に柔軟に対応するために幅を持たせています。

 「新しい総合計画の骨格」では、

 @「恵み豊かな大地で人々が希望をもって働き、世界に躍進する産業を展開する北海道」
 A「水と緑輝く北国の自然のなかで循環と共生が社会に根づき、暮らしにゆとりと安心を実感できる北海道」
 B「地域主権の取り組みが広がり、個性豊かで活力に満ちた地域に、誇りと愛着を持って住み続けられる北海道」

―を、その目指す姿として描いています。

 北海道を取り巻く時代の流れとして「グローバル化」「人口減少・高齢化」「深刻化する地球環境・資源エネルギー問題」を挙げ、経済・産業、暮らし・ライフスタイル、環境・エネルギー、人づくり・情報・科学技術の各分野で、政策展開をしていく考えです。

 道はこのあと、道民の意見や道議会の論議などを踏まえて、「地域政策」と「重点プラン」をまとめ、平成19年度中に計画案を取りまとめることにしています。