令和6年の新春を健やかにお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

 昨年は感染症対策が緩和され、経済社会活動に明るい兆しが見え始めましたが一方で、ロシアのウクライナ侵略に加え、イスラエルでの大きな軍事衝突があるなど世界情勢の緊迫化が続いており、大変残念な事に多くの人命が失われております。日本を含めた国際社会が協調し、早期解決と世界平和のために力を結集させることを切に願っております。

 また、燃油、物価の高騰、夏の猛暑、集中豪雨により農業、漁業、商工業に大きな影響と被害がもたらされ、道民生活が激変した一年であり、地域の、道民のみなさまの暮らしを守るため、きめ細かな対策を立て、実施してまいりました。

 今年もSDGs(持続可能な開発目標)の精神で大都市と地方の格差是正に取り組み、海、大地、森の豊かさを守り、持続可能な活力のある、希望の持てる地域社会を目指し、頑張ってまいります。

 さて、道内では今、新たな経済成長に向けた2つのビッグプロジェクトが進行中です。一つは、次世代半導体の製造を目指すラピダスを中心とするデジタル産業の振興で、同社の工場建設を支援するとともに、データセンターなどの関連産業の誘致と人材育成を進めることで、北海道をデジタル産業の集積地にするという大きな目標を掲げています。私たち自民党としても、2027年の量産開始に向けて全面的なバックアップを行ってまいります。 

 そしてもう一つが、温室効果ガス抑制のためにエネルギー源を化石燃料から太陽光、風力などに転換する事を目的としたグリーントランスフォーメーション(GX)です。北海道が誇る再生可能エネルギーの可能性を最大限に活用し、世界中からGXに関する情報・人材・資金を集め、北海道を「アジア・世界の金融センター」にしようと、産学官と金融の21機関による共同チームが設立されました。世界的な脱炭素の流れの中、政府は今後10年間で150兆円のGX投資を見込んでおり、そのうち最大40兆円程度を北海道に呼び込もうと考えております。

 近年、道内でも地球温暖化の影響でコメの食味が向上したり、道内で水揚げされる魚種に変化が生じたりしていますが、国連が進めるSDGsにも合致するゼロカーボンやGXの取り組みが温暖化に歯止めをかけると大いに期待されています。

 国内外から人を呼び込む観光振興も重要な課題の一つです。欧米の観光の柱になっているアドベンチャートラベルを北海道観光としても大きく育てるため財源を確保し、振興を図ってまいります。

 また、原発処理水の海洋放出をめぐり中国が日本産ホタテの禁輸に踏み切り、水産加工業への影響が心配されています。国内消費喚起や迅速な事業者支援を図るとともに、国内加工体制の強化、輸出先の転換に向けた販路拡大などに取り組み、不当な政治的威圧には毅然とした姿勢で対応すべきだと考えております。

 令和5年はシカ、ヒグマによる被害が過去最悪のペースで発生し、道は抜本的なシカ、ヒグマ対策の強化に乗り出しました。強い危機感のもと、野生動物との共存のためのすみ分け、ハンターの育成確保、駆除に対する理解促進などの取り組みを進め、大切なかけがえのない大自然を守りつつ、みなさまの安全・安心な暮らしを守り抜きます。

 このほか、人口減少対策、一次産業や商工業の振興、教育や医療・介護・福祉の充実、防災・減災、交通体系の整備など、北海道が抱える諸課題にも全力で取り組み、活力あふれるオホーツクの新時代の実現を目指します。変わらぬご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。