
令和5年の新春を迎え、心よりお祝い申し上げます。
昨年も、新型コロナウイルスが引き続き猛威を振るった一年となりました。新型コロナウイルスにより亡くなられた方々、ご家族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げるとともに、闘病生活を含め、多大なる影響を受けられた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
感染の波は、第8波に突入し、新春を迎えてもなお、先の見えない闘いが続いています。また、国外においても、ロシアによる不条理な侵攻から始まったウクライナ危機が未だ終息を見ず、世界経済に物価高騰やサプライチェーンの混乱といった負のスパイラルをもたらしました。日本国内への影響も大きく、原油・エネルギー、食糧、日用品、飼料・肥料など、私たちの生活に根差したあらゆる物価が高騰し、生産者・消費者双方に大きな打撃となっています。商工業、商店街、観光、運輸、農林水産業を始めとした一次産業、多くの産業が厳しい状況にあります。
今喫緊に求められているのは、こうした状況を打破するための政策です。政府は10月、経済の立て直しに向けて39兆円希望の総合経済対策を決定し、道議会でも総額1242億円の「価格高騰等緊急経済対策」を当初予算、補正予算などで決定することができました。これらには、商工業・一次産業・製造業者や生産者に対する支援が多く盛り込まれており、明日の北海道をつくっていく大きな力になると信じています。一方で、北海道経済全体を見ると、未だ厳しい状況が続きます。引き続き、危機感を持って、国に対しては、経済の活性化策とワクチンや治療薬の開発を求め、都道府県には、地方の実情に応じた細やかな対策を求めてまいります。
さて、11月にエジプトで気候変動対策について話し合う国際会議「COP27」が開かれました。世界を見渡すと、パキスタンでは洪水で国土の3分の1が水没し、国民の多くが感染症や食糧難に苦しむなど、気候変動対策は待ったなしの課題の一つです。
四方を海に囲まれた日本。気候変動の影響は決して他人事ではなく、オホーツク地域も、ここ数年、干ばつや大雨などに見舞われ、甚大な被害が出ています。次世代に豊かな自然を守り伝えていくためも、今こそ、「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさ、陸の豊かさを守ろう」を掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を一層推進し、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボン北海道」の取り組みをさらに強化していかなければならないと考えています。
時代の変化が大きい今だからこそ、私たちが生きていく上で、幸せの軸をどこに置くのかを考えるべき時に来ているのではないでしょうか。古来より、日本は“自然の中で生かされている”と云う考えを大切にしながら、皆で協力し、助け合う「和の精神」で、世界に誇れる日本の社会を築いてきました。経済を優先してきた結果、貧富の格差は拡大してきてはいないでしょうか。日本の古き良き伝統・文化を礎に、子どもたちに誇れる持続可能な日本を、オホーツクを、共に築いていかねばなりません。
人口減少問題、一次産業や商工業の振興、教育、医療・介護・福祉の充実、防災・減災、交通体系の整備など、さまざまな課題が山積している中ではありますが、オホーツクのかけがえのない大自然との共生を第一に、引き続き、1つ1つの課題に対し、引き続き全力で取り組んでまいります。変わらぬご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
